火花読みました。
かなり売れた本です。
もしかしたら4人しかいないこのブログの読者、まぁプレビューからの推測でしか無いですが、4人のうちにも読んだことのある人はいるかもしれません。そうしたら僕を入れて全体の40%の人が読んだことになるわけで、やはりとても売れているんだなということになります。オチなし。
火花の印象といえば、芥川賞受賞作ということと、ピースの又吉が書いているということ。この2つ。
散々騒がれましたが僕が本を読み始めたのは今年に入ってからなので読んだことはありませんでした。
本を取った理由はいい加減火花を読んだことあるかと人に聞くのも聞かれるのもだるかったからです。いや、聞いたことはありますが聞かれたことはないですね。すみません。
火花に対する興味を失くすために読みました。
感想
難しい単語が多くて僕が今まで読んだ芥川賞よりも文章のテンポが悪かったのが印象的です。僕の苦手なぶつ切りの文章が信号で足を止めるようなものだとすると、火花は道にある大きな蜘蛛の巣のようにいちいち僕の足を止めてとても不愉快でした。とはいえ僕がもっとたくさんの熟語を知っていれば済んだ話ですね。ごめんなさい。
面白かったのは漫才のような掛け合い。とにかく掛け合いが面白い。ずるい。と思った人も多いと思います。
読みにくかったり、モヤモヤしたまま終わった伏線があったり、なんというか他の芥川賞の作品と比べるとスッキリ終わるような話では無かったのですが、とにかく掛け合いが面白い。
芸人としての強みがしっかり出ていましたね。
とはいえほんの一握りしかテレビに出ることのできない芸人という世界で、出れない側の人達が普段どんなふうに生きているのかという話なので、それはまぁずっと足踏みしているような歯痒さがあります。
熱いシーンもありますが、映画になってどれだけかというとこのテレビに出れない芸人達がスクリーンで主演を張るというのは矛盾している気がしてしまいます。今度映画も見てみますね。
けなしてしまいましたが、自分の夢がだんだんと実現できないような年齢になってきても舞台に立つことのかっこよさ。舞台に立つことの勇気を又吉なりに書いたのだろうと思うと、かなり熱いです。
面白さはどうでも良くて、漫才で培ったテンポと舞台への滾る思いを純文学に落とし込んだ時点で、読んで良かったなと思いました。