〜回想〜
3月ごろに同期にフラスコをもらった。
なんでフラスコを持っていたのかは分からない。
完全に持て余してたのでずっと職場に放置してたけど、いい加減邪魔なので先週持って帰ってきた。
ついこの前彼女がその辺に咲いている黄色い花を摘んできてフラスコに差してた。
良かった。黄色かった。
黄色いなぁと思った。
一昨日花びらが2枚ついてるだけになったその黄色を見たけどもう感動はなかった。俺の中ではもう黄色は死んでた。さよなら黄色。
〜回想終わり〜
今日発泡酒を買った帰りに花屋があった。
見てると欲しくなってくる。
迷ったけど1番強そうなやつにした。名前は忘れた。
愛でるわけではないけども、興味があるわけでもないけど、とりあえず一輪。400円。意外と高い。
花を買って、優しく持って、少し視線を気にしながら帰ってきた。
最近家では酒を飲むかゲームしてるかの二択。
帰ってフラスコを見つけるまで、彼女が黄色を捨ててフラスコを乾かしてることを知らなかった。
フラスコに水を入れて、買った“葉っぱ花”を差した。けどそうなると机にあるコップや皿が気になって、食器を洗った。夜ご飯を作るために冷凍してた鶏肉を机に出して、リビングに3週間くらい出しっぱなしにしてたポケモンカードもなんとなく片付けた。明日が燃えるゴミの日ってことを思い出してゴミを集めて、風呂場の排水溝のネットを変えた。
今買った発泡酒を飲みながら葉っぱ花を見てるけど、黄色ほどの感動は、無い。
でも帰ってきた彼女はきっと喜ぶ。
400円、安い。
そして次に何の花を買うか、これから考える。