むらさきのスカートの女
2019年の芥川賞受賞作です。
いつも面白い本を教えてくれる友達の一押しです。
彼の一押しということはとても面白いということです。全幅の信頼を置いています。
ではじすらあと感想行きます。
【じすらあ】
私は黄色いカーディガンの女。
世間には馴染めない私。でも寂しくなんかない。
だって彼女がいるから。
彼女はいつも公園の奥のベンチでクリームパンを食べる。彼女の仕事は不定期。家の電気はついているから多少のお金はまだあるのかも。
友達になりたい。
彼女と友達になりたいっ!
【感想】
感想めっちゃ難しい。
というのも読み終わった後に「なんなんだ。」と思ったくらいに掴みどころのない話だったから。
ただ俺にはこの本をこのブログを読むような暇なやつに読んでもらう使命がある。このブログよりかは面白いことを伝えたい。
主人公のストーキングが終始目立つ中で、むらさきのスカートの女は意外と普通。読者としては拍子抜けするくらい生活に溶け込んでいる。
そのストーキングの正確さから、もしかしたら主人公には実態がないのではないかと思いながら読んでいくと、今度はむらさきのスカートの女の周りの人間たちが変化していく。それも特筆するほどではないような、そんなありふれた変化。
そして最後には全員の生活がまた元に戻る中、主人公とむらさきのスカートの女だけ大きく生活が変わっている。
掴みどころが無いから、人によって面白いと思うところは違いそうなところは良い。後から感想を話すときに盛り上がりそう。
俺は今まで読んだような気持ちを図るような作品ではなくて一定の距離感を持ったまま、あたかもコミュニケーションをとっているかのようにキャラクターを魅せているのが好き。面白かった。
それに笑ってしまうコメディ描写も散りばめられていて読んでて飽きない。実際990円で買ったこの本を読み終わるまでに2時間もかからなかった。そういう意味ではコスパは悪いかも。笑
黄色いカーディガンの女がベンチに座ってクリームパンを食べてむらさきのスカートの女を待つようになったのは、憧れていた存在になれたのかもしれない。と同時に生活がすっかり変わってしまったことが分かって少し寂しさを感じるラストだったな。
まぁこの女は強く生きるだろうけどな。
なんつってもサイコ。最強よ。
【自分語りのコーナー】
ジブンガタリ。
最近学生の頃を思い出す。その頃の僕は今よりも生意気で、自分がどれだけバカなのかを知らなかった。
でもそのときにできた友達と今でも話すし、今でも僕のことを嫌いな奴もいる。
今ではもう少し上手く付き合えるのかもしれない。と思うし人に迷惑をかけない自信もあるけど、それってあの頃の自分が死んだことを証明しているようで少し寂しい。
そのせいか最近学生の頃から変わってない友達を見ると、また違う僕を好きになってくれているようで少し嬉しい。
むらさきのスカートの女のラストを読みながら、そんなことを考えていました。