今年もいろんな本を読みました。
人間失格(1948)
変身(1915)
こころ(1914)
斜陽(1947)
そして5冊目。
まぁブログ書き始めてからは4冊目。(ややこしい)
コンビニ人間(2016)
ついに21世紀です。
これ、芥川賞とってます。
すごいですね。芥川賞ですよ。
つまり前述の4冊よりもすごいということです。
じゃああらじすと感想書いてきます。
【あらじす】
人の気持ちが分からない。
両親は優しく、妹もなついてくれるが、自分の感情の多くが欠損していることに気づいたのはまだ幼い時だった。
18歳になって近所にコンビニがオープンした。
アルバイト募集中とあり、深い意味もなく応募した。
それは、適職だった。
コンビニでは人とのコミュニケーションはいらず、スピード感だけが求められる。
その時主人公は初めて人間になれたと感じたのだった。良かったね。
そのまま人間になってから18年が経った。
【まとめ】
語られるのは主人公の視点。
感情を持たないそれは異質なものであって、読者が分かるのは主人公の周りに生きる普通の人間たちの気持ち。
36歳となった主人公は恋愛もせずにコンビニでアルバイトを続けている。だがそこに悲壮感はない。
いろいろな側面を持つ周りの人と違い、彼女はコンビニのアルバイトという面しか持たない。
コンビニという環境でのみ彼女は人間になり、人間であるためにコンビニでアルバイトをする。
それが世界から排除されないための手段だった。
【感想】
読みやすかった。
現代版人間失格と言われたけど読んでみると大きく違う部分があった。主人公が全く絶望していない。ということ。
ハッピーエンドかどうかそんなことはどうでもいいくらいの衝撃があった。
人間である証拠としての聴覚や視覚の五感描写。
ただ主人公の人間味はそこでしか分からない。
人間失格では恐怖から人間を辞めた。
変身では孤独から人間を辞めた。
こころでは罪悪から人間を辞めた。
彼女は、人間になれなかった。
恐怖もなかった。孤独もなかった。罪悪もなかった。
痺れた。痺れました。